A-26 有機質溶解能を有する被着面処理剤に関する研究(その2) : 次亜塩素酸ナトリウム類似化合物の象牙質被着面処理剤への応用
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概要
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演者らは、象牙質被着面をエナメル質と化学的組成が類似のハイドロキシアパタイトリッチの状態にすることによって、エナメル質、象牙質の両者に良好にコンポジットレジンを接着させることが出来ると考え、象牙質内のコラーゲンを溶解する処理剤として根管清掃剤に着目し、それらによる被着面処理を試みた。その結果、コラーゲン溶解剤としては次亜塩素酸ナトリウムが有効であり、接着性向上には、酸との併用が有効であった。この処理法はエナメル質、象牙質両者に対する接着性を大きく向上させ、且つ、処理面に与えるダメージが少ないことを報告した^<1)>。本報告では、被着面に与えるダメージがさらに少ないことを期待して、次亜塩素酸ナトリウムよりも有機質溶解能が低いその類似化合物による被着面処理を試みた。その結果、ボンディング剤としてClearfil New Bondを用いた場合、次亜塩素酸カルシウムが有効であり、"MORHONINE"との併用で牛歯エナメル質(:E)に対して12.9±5.4MPa、同象牙質(:D)に対して8.3±2.5MPa、"PSS"との併用でEに対して17.5±3.9MPa、Dに対して8.2±1.6MPaと次亜塩素酸ナトリウムと同等に接着性を向上させた。また、それらの処理面の形態的変化もさらに少ないことが明かとなった。
- 日本歯科理工学会の論文
- 1990-10-01
著者
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