大規模移動体システムへの適用を考慮した複合チェックポイント

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本論文では、移動端末と固定端末からなる分散システムにおいて、チェックポイント-リスタートを実現する新しいプロトコルを提案する。ここでは、2種類のチェックポイントプロトコルを組み合わせる。固定端末では、同期式のチェックポイントプロトコルを、移動端末では、非同期式チェックポイントプロトコルを用いる複合チェックポイントプロトコルである。非同期式チェックポイントプロトコルを用いる移動端末が、固定端末群とともに一貫性を保ってリスタートするために、モーバイルサポートステーション (MSS) にはチェックポイントエージェントが存在し、チェックポイント情報と通信ログを安定記憶へ記録する。多数の端末を含む大規模分散システムにおいて、複合チェックポイントを利用するためには、固定端末で用いる同期式チェックポイントプロトコルの同期オーバヘッドを小さくする必要がある。そこで、これまでに提案されているプロトコルがすべての固定端末に対してチェックポイントを設定することを必要としていたのに対して、一部の固定端末のみがチェックポイントを設定するプロトコルを用いることとする。これを実現するためには、チェックポイント設定済みの固定端末から移動端末がメッセージを受信したかどうかという情報をチェックポイントエージェントが管理し、かつ、この情報を移動端末の移動とともにチェックポイントエージェント間で伝達する機構を導入する必要がある。この機構によるチェックポイントエージェントの協調により、耐故障性を持つ大規模な移動体システムの構築が可能となる。
社団法人情報処理学会の論文
1999-04-16

大規模移動体システムへの適用を考慮した複合チェックポイント

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