蛋白質立体構造データベース(PDB)の代表蛋白質決定システムの並列化
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概要
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蛋白質立体構造データベース(PDB)は、近年のX線結晶解析やNMRによる構造解析技術の進歩により、その内容は現在5800エントリー(2.4Gbytes)を越え、今後もさらに増え続けると予想されている。しかしながら、冗長性やデータの不完全性のためにPDB全てのエントリーが蛋白質の立体構造の解析に適しているとは言えず、何らかの基準で代表蛋白質を決定する必要がある。この代表を決定するには、各エントリーの内容を調べ、解析に適さない質の悪いデータを除去したり、各エントリーに対して他のエントリーが配列的および立体構造的に類似の蛋白質かどうかを調べあげるなど、膨大な計算が必要となる。さらに、PDBの増加を考慮すると、今後も急速に計算量が増えていく課題である。我々は、これまで開発してきたPDBの代表蛋白質決定システムを、MPIライブラリを用いて並列化し、3種類の並列計算機上でその速度性能を調べた。本研究で実装した並列版では、従来の約10倍の高速化を実現し、およそ2週間を必要としていた代表蛋白質決定処理を2日間で実行できるようになった。
- 社団法人情報処理学会の論文
- 1997-08-19
著者
-
斎藤 稔
弘前大学理工学部
-
志澤 由久
株式会社情報数理研究所
-
斎藤 稔
新情報処理開発機構
-
志澤 由久
(株)情報数理研究所
-
秋山 泰
新情報処理開発機構
-
野口 保
新情報処理開発機構
-
鬼塚 健太郎
新情報処理開発機構
-
安藤 誠
新情報処理開発機構
-
安藤 誠
日本鋼管株式会社情報システム部:産業技術総合研究所生命情報科学研究センター:大阪大学大学院基礎工学研究科情報数理系専攻
-
野口 保
技術研究組合 新情報処理開発機構
-
鬼塚 健太郎
技術研究組合 新情報処理開発機構
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