α-フリルジオキシム錯体のナフタレンによる捕集を利用するパラジウムの吸光光度定量
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概要
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α-フリルジオキシムは水溶液中でパラジウムと反応して水に不溶性の黄色キレートを生成する.このキレートはナフタレン-アセトン溶液を加えて激しく振とうさせることにより,晶出したナフタレンに定量的に捕集される.これを吸引〓過乾燥した後クロロホルムに溶かせば吸光光度法により微量のパラジウムが定量される.本実験ではパラジウムをナフタレンに捕集し定量するための基礎的諸条件を検討した.定量の最適条件は波長380nm,溶液のpH0〜5.5,0.1% α-フリルジオキシム溶液(0.3〜6.0)ml, 20% ナフタレン-アセトン溶液(0.5〜5.0)ml {ナフタレンとして(0.1〜1.0)g}であった.水相の体積21までは吸光度に影響を与えなかった.(3〜50)μgのパラジウム量と吸光度との間には直線関係が得られ,見掛けのモル吸光係数は380nmで2.1×10^4 l mol^<-1> cm^<-1>,感度は吸光度0.001に対して0.005μg/cm2^2,相対標準偏差は25μgのパラジウムに対して0.80%であった.更に定量に及ぼす共存イオンについて検討した結果,ほとんどの金属イオン及びアルカリ金属塩類は妨害しなかった.鉄(III),金,ビスマス,シアン化カリウムはかなりの妨害を示した.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1978-08-05
著者
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