ケルセチンスルホン酸によるバナジウム(V)の吸光光度定量
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概要
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酸性溶液中でバナジウム(V)はケルセチンスルホン酸と反応して黄色錯体を生成する.これを利用して微量のバナジウムの吸光光度定量法について研究した.本実験においてはケルセチンスルホン酸およびその錯体の吸収曲線を求め,ついで最適の定量条件を検討し,さらにその錯体の呈色の安定性,温度および共存塩類の影響などについて調べた.その結果,定量の最適条件は測定波長430mμ,pH4.4〜4.7,ケルセチンスルホン酸濃度3.2×10<SUP>-4</SUP><I>M</I>,酢酸緩衝溶液濃度2×10<SUP>-2</SUP><I>M</I>であることを知った.吸光度と0.1〜1.0ppmの範囲のバナジウム量との間に直線関係が成立し,モル吸光係数は2.03×10<SUP>4</SUP>, 感度は吸光度0.001において0.0026μgV/cm<SUP>2</SUP>であった.さらにバナジウムとケルセチンスルホン酸とのモル比を連続変化法,モル比法によって求めたところ1:1であった.共存塩類については,臭素酸カリウム,シュウ酸ナトリウム,クエン酸ナトリウム,フッ化ナトリウム,酒石酸ナトリウム,ヨウ素酸カリウム,塩化亜鉛,モリブデン酸アンモニウム,モール塩,クロムみょうばん,塩化マンガン,カリみょうばん,鉄みょうばん,硫酸銅,塩化マグネシウムなどはバナジウムの定量を妨害する.
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