チロンを用いるバナジウムの紫外部吸光光度定量法
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概要
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水溶液中でバナジウムと反応して,微量のバナジウムを吸光光度法により定量できる試薬を見いだすため種々検討した結果,チロンがそれに利用できることがわかった.そこで本報告においては,各種pH値においてチロン単独溶液とそのバナジウム錯体の吸収曲線を求め,ついで最適の定量条件を検討した.さらにその錯体の呈色の安定性,温度の影響,共存イオンの影響などについても調べた.その結果,定量の最適条件は測定波長310mμ,pH値6.9〜7.2,チロン濃度6×10<SUP>-4</SUP><I>M</I>,0.5<I>M</I>のリン酸塩緩衝溶液の添加量は全量25m<I>l</I>に対して4m<I>l</I>であることがわかった.測定時間は発色後ほとんど一定の吸光度を示すようになる90分後とした。本実験では,4.08ppmまでのバナジウム量についてベールの法則に従い,分子吸光係数は7.5×10<SUP>-3</SUP>であった.さらに連結変化法,モル比法によってバナジウム-チロン錯体の組成を求めたところ1:2であった.定量に及ぼす共存イオンの影響については,モリブデン(VI),タングステン(VI),鉄(II),銅(II),炭酸水素ナトリウム,塩化カリウムなどの妨害が著しかった.
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