液液抽出後固液分離分析法 : オキシン-ナフタレン抽出による微量金属の吸光光度定量
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概要
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オキシンは各種金属と反応して水に不溶の安定な錯体を生成する.これら金属錯体は水溶液から融解したナフタレン中に定量的に抽出される.この抽出液を放冷固化させた後,水溶液中から分離し,乾燥後ジメチルホルムアミドに溶解すれば,吸光光度法により微量金属が定量できることを見いだし,これについて種々検討した.その結果,銅,ビスマス,コバルト,ニッケル,モリブデン,ウラン,アルミニウム,鉄,パラジウム,インジウムはクロロホルムやべンゼンと全く同様に抽出定量できる.しかし亜鉛,マグネシウム,カドミウムのオキシン錯体は水分子と強く結合した水和錯体を生成するため,クロロホルムのような普通の有機溶媒には抽出されないが,融解したナフタレンには容易に抽出され定量される.ベリリウムも強い水和錯体を生成し,融解したナフタレンにも抽出されない.これら錯体の抽出速度は高温で操作が行われるため,極めて大きく,軽く数秒振とうするだけでほとんど完全に抽出される.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1976-05-10
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