ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウムを用いた銅の交換抽出ポーラログラフィー : ポーラログラフによる分析化学的研究(第42報)
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概要
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キレート剤として,ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム(以後Na-DDTCと略記)を用い,金属キレートの相互交換反応を利用した溶媒抽出分離ポーラログラフィーてついて,著者らはすでにタリウム(I),タリウム(II),鉛,カドミウム,ビスマスなどの報告をした<SUP>1)2)</SUP>.今回は本試薬による銅キレートの抽出について基礎的検討を行なった.その結果,銅キレートはクエン酸ナトリウム,リン酸二ナトリウム緩衝剤いずれの場合にも, pH1~13の領域でクロロホルム中へ定量的に抽出されることが明らかになった.この際,緩衝剤グリシンpH 9~13の領域で,シアン化カリウムのマスキング効果を調べた.銅は完全にマスクされ,その抽出率は0%に下るが, EDTAはpH1~13域で,銅に対してなんらマスキング効果を示さないことがわかった.クロロホルム中に抽出された銅キレートから銅を水層中に移すために,水銀を交換剤として選び検討した結果,モル比で1.1倍の水銀で100%の交換がおこっており,この際の過剰の水銀は1<I>N</I>硫酸酸性で硫酸ヒドラジンを作用させて金属に還元し,ロ過除去することによって銅の定量は可能となった.ビスマスと銅の波の分離にはクエン酸ナトリウムEDTA複合支持電解質を用いた.諸条件を検討したのち,この方法を合成水銀試料中の銅の定量に応用し,0.005%の銅を±4%の誤差で定量できた.
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