クライオフォーカスを使用しないパージ&トラップ/キャピラリーガスクロマトグラフ/質量分析法による揮発性有機化合物の定量 : Tenax GC吸着剤の吸脱着特性とその利用
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概要
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パージ&トラップ/ガスクロマトグラフ/質量分析法でクライオフォーカスを用いずに, 水中の揮発性有機化合物を測定する方法を検討した.各成分のHenry定数とパージ流量から各成分の理論的回収量を算出し, パージ流量と回収率の関係を考察したところ, 分配係数が小さく, パージ効率の悪い化合物でも, 試料を一定温度に保持することで短時間のパージで定量性が得られることを予測できた.少量の吸着剤を充てんしたステンレス鋼製ミニカラムを作製して検証した.クライオフォーカスを使用しないで精度よく分離・定量するためには, 各成分のピークの広がりをできるだけ少なくする必要があった.トラップ管は小さなステンレス鋼製カラム(長さ11cm, 1/8インチo.d.)に, 水分保持の少ないTenax GCを充てんして用いた.トラップ管に吸着した各成分の加熱による脱着のプロフィルを測定した結果, 目的成分の脱着は200℃以上で急激に始まり, 脱着のプロフィルは加熱時間に対してガウス分布であった.各化合物の脱着に要する時間は0.60から0.72分の範囲内であり, 急速加熱することによりクロマトグラムのピークの広がりを少なくすることができた.Tenax GCの破過容量は小さいが、パージ操作時の試料温度とトラップ管を約20℃に保つことで対象成分のすべてを, 繰り返しの再現性10%以内で測定することができた.検量線は0.5〜50ng/5mlの範囲で相関係数0.95以上の直線になった.種々の環境試料に対する添加回収共同実験に適応し良好な結果を得た.
- 1995-01-05
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