固定化生体触媒を利用した食品分析システムの開発
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
固定化酵素, 固定化微生物を利用した, 食品成分の簡易・迅速分析システムの開発を行った. はじめに固定化酵素とフローインジェクション分析(FIA)システムとの組み合わせで, 食品の生体調節機能因子の一つであるスーパーオキシドジスムターゼ(SOD), 活性の計測システムを試作した. 本システムはスーパーオキシド陰イオンの発生に固定化キサンチン酸化酵素を利用した経済的な分析法であり, 1検体の分析時間は2分以内であった. 次に, 酵素を固定化したマイクロプレートを利用する新しい分析システムの開発を試みた. アビジン-ビオチン架橋法によりプレート上に固定化したグルコース酸化酵素は高い活性を示し, 食品中のグルコース分析にも通用可能であった. 操作安定性, 並びに貯蔵安定性も優れており, 50回の繰り返し測定と半年間の室温保存でも活性の低下は認められなかった. 微生物が有するユニークな群特異性は新規分析項目の開拓に役立つ. その例として, 固定化Arthrobacter nicotiana-FIAシステムによる低級脂肪酸の簡易・迅速分析システムの開発を行った. 本システムで得られる応答は, 牛乳の酸敗臭の原因とされる炭素数4から12の低級脂肪酸の濃度の合計値と高い相関を示し, 1検体の分析時間は約3分であった. 本システムの応答は生乳中の体紬胞数と一定の相関を示し, 乳房炎乳の検出にも適用可能であることが示唆された. 更に固定化Psuedomonas putidaをワイン中の有機酸の分析に利用したシステムについても述べる.
- 1999-02-05
著者
関連論文
- 酸化防止剤力価評価のための各種抗酸化活性測定法の共同試験
- 牛乳の品質評価におけるXTT法とフェリシアナイド還元法との比較
- 濃縮海洋深層水の膜蒸留法による高塩分化と微細藻 Dunaliella salina の培養への応用
- 固定化生体触媒を利用した食品分析システムの開発
- 抗酸化物質の2成分混合系におけるDPPHラジカル消去活性
- 碁石茶製造工程におけるカテキン含量とスーパーオキシドアニオン消去活性の変化
- 室戸海洋深層水媒体下における加熱香気生成反応に関する研究
- テトラゾリウム塩XTTを用いた新規SOD様活性測定法の嗜好飲料への適用
- 海洋深層水媒体下における寒天ゲルのレオロジー特性
- イワシ筋肉アルカリプロテアーゼ加水分解物のスーパーオキシドアニオン消去活性
- 食品成分とその機能評価のためのバイオセンシング
- フローインジェクション分析 -有機成分-
- 酵素固定化マイクロプレートによる食品中のグルコースの定量 : 食品
- 抗酸化活性評価のためのフローインジェクション分析システム
- 酵素スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)の新規活性測定法
- 各種褐藻から抽出されたアルギン酸の化学的性質とナトリウム結合能
- ビタミンK_3とテトラゾリウム塩を組み合せた生乳微生物数の簡易発色試験法の開発
- カンキツ精油の有する生体作用の生化学的解析 (小特集 果実の香りと機能性)
- 高知県産茶および青果物の有するスーパーオキシドアニオン消去能の測定
- スーパーオキシドアニオン消去活性新規測定法の食品への応用
- アントシアニン色素のスーパーオキシドアニオン消去能の測定
- スーパーオキシドアニオン消去活性新規測定法の開発と食品への応用
- 既存添加物ドクダミ抽出物の品質評価
- 碁石茶がアディポサイトカインの変動に及ぼす影響
- 第11回フローインジェノション分析国際会議(11^ ICFIA)に参加して
- はじめに
- 食品加工における海洋深層水および深層水塩が食品の品質に及ぼす影響
- マイワシ筋肉ペプシン消化物からの活性酸素消去能を有するオクタペプチドの分離同定およびその活性
- ハプテン性抗原に対するフローイムノアッセイ
- European Congress on Biotechnology
- 二官能性試薬グルタルアルデヒドの織りなす多様な科学の世界
- バイオセンサー - フローインジェクション分析法による食品分析
- 香り:その神秘に挑む
- 碁石茶がアディポサイトカインの変動に及ぼす影響