α,β,γ,δ-テトラキス(5-スルホチエニル)ポルフィンを用いる極微量亜鉛(II)の二波長増感吸光光度定量
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概要
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新しい水溶性ポルフィリン,α,β,γ,δ-テトラキス(5-スルホチエニル)ポルフィン{T(5-ST)P}を合成した. T(5-ST)Pは水によく溶解し,その水溶液は安定で,しかも酸性pH条件における試薬及びその錯体の二量体生成反応は認められなかった. ソーレー帯における吸収スペクトルは,酸性型(H_4P^<2+>)が特異的に長波長側(456nm,ε=32.9×10^4cm^<-1>mol^<-1>dm^3)に位置し,亜鉛錯体(428nm,ε=41.7×10^4cm^<-1>mol^<-1>dm^3)と十分離れていた. このスペクトル特性を利用して,二波長増感法による10^<-9>g/cm^3の亜鉛(II)の吸光光度法を開発した. 本法のsandell指標は,1.12×l0^<-4>μg/cm^2であり,公定法であるジチゾン法の14.3倍の感度である. 又,相対標準偏差値は1.31μ/25cm^3の亜鉛(II)に対しO.6%(10回測定)であった. 本法を市販の四塩化炭素特級試薬中の亜鉛(II)の定量に応用し,良好な結果を得た.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1983-01-05
著者
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五十嵐 淑郎
東北大学工学部分子化学工学科
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四ツ柳 隆夫
東北大学工学部分子化学工学科
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五十嵐 淑郎
Department Of Biomolecular Functional Engineering Faculty Of Engineering Ibaraki University
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五十嵐 淑郎
茨城大学工学部
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五十嵐 淑郎
茨城大学
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佐伯 知司
東北大学工学部応用化学科
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四ッ柳 隆夫
東北大学大学院工学研究科応用化学専攻分子システム化学講座応用計測化学分野
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