適応的自己組織化ネットワークシステムの提案

概要

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インターネットをはじめとするネットワークシステムは, 大規模化, 複雑化, 多様化が急速に進んでいる。また, ネットワークシステムを取り巻く環境は, 絶えまなく変動している。このような状況の基では, ネットワークシステムの振舞の完全な予測は困難であり, 電話系のネットワークで行なわれてきたような中央制御は不可能になりつつある。このような観点から分散型のネットワーク管理システムや, 自律的なエージェントのマーケット指向によるネットワーク資源配置などの手法が提案されている。本稿では, 不完全かつダイナミックな情報の基で, 適応的に自己組織化を行なうネットワークシステムを提案する。ここで, 適応的自己組織化とは, システム自らが環境との相互作用を通じてシステムの構造・機能を適応的に変化させることにより性能の維持・向上を図ることであると定義する。本稿での自己組織化ネットワークシステムは, 自己モニタ, 依存解析による自己診断, 自己再構成の3要素よりなる。ルーティング, WWWキャッシュにおける具体例を示す。
一般社団法人情報処理学会の論文
1997-09-24