連続メディア処理向きマイクロカーネルの開発(1) : システムの概要と基本設計

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MPEG、ATMネットワーク等を始めとするマルチメディア技術の進歩により、コンピュータ内部にデジタル・ビデオ等の連続メディアを取り込み、さらに、これをネットワーク経由で転送できる様になってきた。この背景には、プロセッサやネットワークの高速化、半導体メモリやディスク装置の大容量化等のハードウェア技術の進歩がある。その一方で、これらのハードウェア技術の進歩によって、システム構成要素間の性能バランスが大きく変化し、OSの基本設計にも変更が必要となって来ている。例えば、近年、プロセッサの性能は飛躍的に向上してきたが、これに比べると半導体メモリのアクセス速度の向上巾は小さく、プロセッサとメモリの性能差が拡大している。このため、大量データ入出力が本質的に不可欠な連続メディア応用では、バッファ間のメモリコピー処理、あるいは、キャッシュとメモリ間の一貫性保証オーバヘッドが無視できない問題となっている。また、QoS(Quality Of Service)保証の困難さ、割り込み処理やコンテキスト・スイッチのオーバヘッド等も解決を要する課題である。現在、我々は、上述の課題解決に向けて連続メディア処理向きマイクロカーネルHiTactixの研究開発を進めている。以下では、HiTactixの設計方針と機能概要について述べる。
一般社団法人情報処理学会の論文
1996-09-04

連続メディア処理向きマイクロカーネルの開発(1) : システムの概要と基本設計

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