自律協調分散システム開発環境 : 協調作業支援への適用

概要

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計算機ハードウェアの高性能化および低価格化とネットワーク技術の進歩により、多数の計算機をネットワーク接続した分散環境が出現した。本来、このような分散環境は、ニーズに適った信頼性の高いサービスを効率よく提供できるだけの能力を持つ。ところが、実際にこのような能力を十分に活かすシステムを開発することは複雑で非常に難しい。同様にシステムの運用・管理の面でも困難を伴うことが多い。我々は、このような分散環境に対し、分散環境の潜在能力を活かしたアプリケーションの構築を容易にすること、サービスを高信頼化し可用性を高めること、システムの運用・管理を柔軟かつ容易にすることを目的とし、分散環境の開発環境Noah(Network oriented applications harmony)を開発している。Noahでは、複数の自律性を持ったエージェントと呼ぶ計算主体によりアプリケーションを構成する。エージェントは分散環境の中に規定された論理的な『場』において互いに脇調しながら処理を進めることにより、ユーザが欲するサービスを提供する。協調の相手や手順などはこの場に定義され、個々のエージェントはサービスの要素にあたる資源や機能そのものに関する定義のみを持つ。そのため、ユーザニーズやシステム構成の変更にも柔軟に対応することができる。このことは、組織やグループの支援を行う協調作業支援システムの構築にも有利に働く。本稿では、Noahの基本構成について述べた後、組織の複数のメンバに関わる作業支援の例として会議設定サービスヘの適用について述べる。
一般社団法人情報処理学会の論文
1994-09-20

自律協調分散システム開発環境 : 協調作業支援への適用

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