Tierra型エコシステムにおける行動パターン表現に関する基礎研究

概要

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実際の生物は非常に長い時間をかけて,交配と選択を繰り返して現在に見られるさまざまな種とそれらの間に見られる相互関係からなるエコロジカルシステムを築いてきた。人工生命はこの自然に見られる基本的進化ダイナミクスをまねようとするものであり,それゆえ計算機内にエコロジカルシステムを発現させることが期待されている.こうした研究として,J.Hollnadのecho systemやT.RayのTierra等のモデルが上げられる。これらのモデルは再生および交配や突然変異に基づくダイナミクスによって,種の生成や共生といった関係を発現させることができることを示したものである。しかしながらこうした発現を支えるダイナミクスの理論は依然確立されていない.すなわち,進化ダイナミクスによって発現する行動群のさらなる理解とその理論化,そしてその理論に基づく人工生命の応用が求められている。Tierraに関する研究としては,メモリー空間を2次元に拡張し,よりエコロジカルモデルとしての性格を強めたCzooや,言語構成に言及したものや個体に雌雄の導入を試みたものなどがある。いずれも場合にしても,進化を促進している機購は再生時の複写ミスとしての突然変異が主となっている。いいかえればこの突然変異率のパラメータが進化のダイナミクスを大きく左右しているといえる。ここではTierraにおける巨視的な進化ダイナミクスからみた行動の特徴を明らかにすることを目的に,個体の持つプログラム特徴と突然変異の関係について計算機実験を通じて考察を行う。
一般社団法人情報処理学会の論文
1994-09-20

Tierra型エコシステムにおける行動パターン表現に関する基礎研究

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