束を用いた概念間の包摂関係に関する表現と利明方式

概要

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演繹推論とオブジェクト指向の考え方を取り入れた演繹オブジェクト指向データベースが注目されている。ICOT(Institute for New Generation Computer Technolonies:新世代コンピュータ技術開発機構)では、演繹オブジェクト指向データベースの考え方に基づいて、知識ベース管理システムQuixoteの開発を行った。Quixoteでは、実世界における概念(例えば、人間、男子、女子)を知識表現の基本オブジェクトとする。この基本オブジェクトをベースとして種々のオブジェクトおよびルールを表現し、推論を行う。また、Quixoteでは、概念間の包摂関係(例えば、男子は人間に包摂されるという関係)を基本オブジェクト間の順序関係として据えて推論に用いている。この順序関係は、半順序関係になるが、一般に束にはならない。Quixoteでは、束ではない半順序関係に、仮想的な基本オブジェクトを導入して束になるようにし、処理の単純化を図っている。これは、文献の方法を利用して実現したものである。本稿では、この実現方法について述べる。
社団法人情報処理学会の論文
1993-03-01