Common ESPにおけるプログラミング環境
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概要
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我々は、第五世代コンピュータプロジェクトにおいて開発されたESPを基に、それをより汎用化した言語Common ESP(以下CESP)を設計した。CESPは論理型とオブジェクト指向型を融合した言語であり、オブジェクト指向言語の特性に合った、プログラム作成支援環境およびデバッグ支援環境を備えている。CESPシステムの環境は、Emacsエディタを核とした構成を採用しており、これを中心にして各サブシステムの実行を統合的に管理している。ウインドウシステムが高度化されるに伴い、プログラミング環境は、複雑なウインドウを多数利用した構成として実現されることが多くなっている。ウインドウを中心とした環境も重要であると考えられるが、我々は以下の理由でEmacsベースの環境を採用した。・ウインドウの上で最も多く利用されているツールは文字端末と同等の機能をもつ端末エミュレータである。・エディタ固有の特性(例えば、バッファ機能)を生かしたユーザインタフェースを提供できる。・「マウスに手を動かすのが面倒である」という意見がよく言われる。・移植性を考慮してマウス、ビットマップ等ハードに依存する部分は少なくする。CESPプログラミング環境を構成するもう一つの重要な柱は、エラー処理およびドキュメント処理を統合的に管理する枠組である。CESPでは、シチュエーションと呼ばれる機構によってこれらを一括管理している。エラー処理はプログラム作成において重要な位置をしめているがプログラム本体に記述することによって全体の流れが見えにくくなるという欠点を含んでいる。またオンラインドキュメント類の操作性、記述性も環境を考える上で無視できないテーマである。シチュエーションはユーザに対するそれらの問題を解決させるための機構である。本稿では、CESPのプログラミング環境の構成とシチュエーション管理およびEmacs環境の概要について述べる。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1989-10-16
著者
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