Common ESPのマルチプロセス環境
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概要
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第五世代コンピュータプロジェクトの成果の一つであるESPから生まれたCommonESP(以下CESP)は,オブジェクト指向機能と論理型機能を融合したプログラミング言語である.論理型言語へのオブジェクト指向によるモジュール化機能導入の試みはCESP以外のProlog系言語でも広く行なわれ,研究目的から商用を目指したものまで数多く存在する.オブジェクト指向融合の形態については言語の記述対象とする分野の違いなどにより種々の方式が考えられるが,それらの多くはCESPと同様まず基本に論理型言語を置き,論理型プログラムを構造化する手法としてオブジェクトを使う.つまり,ホーン節の集合を一つのオブジェクトとして定義する方式で,オブジェクト指向の計算モデルもすべて論理型の枠組に則ることになる.そのためPrologの実行機構をそのままにしてオブジェクト指向を導入する方式では,メッセージ通信によるオブジェクト同士の並列計算というモデルを表現することができない.そこで,CESPでは言語仕様としてではなく,処理系の持つ環境/ライブラリ機能の一つとしてマルチプロセス実行環境を用意し,並列実行可能な処理のプロセスへの割り付けやプロセス間の通信などを簡単に記述できる枠組を提供することにした.本稿では,汎用計算機上で実装したCESP処理系のマルチプロセス機能とその実行環境について説明する.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1991-02-25
著者
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