直交性に基づく線画の定性的3次元形状復元

概要

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人間同士のコミュニケーションにおいて,自分の思い浮かべる3次元形状を他者に伝達する場合,その線画を描いて示すことが多い.本研究では,線画のもつこのような3次元形状情報メディアとしての側面に焦点を当て,マウスを用いて入力された手書き線画から,描画者が意図した3次元形状を復元するための手法について検討する.手書き線画からの形状復元問題では,線画と意図された3次元形状の射影像との誤差が大きいため,形状復元の曖昧さが高い.従来研究においては,このような曖昧さの中で定量的な3次元形状を一意に定めるための様々な手法が提案されてきた.しかし,上述のような線画の形状情報伝達メディアとしての側面を考慮すれば,復元されるべき形状の具体性は意図された形状のそれに依存して決まるべきであり,常に同程度の定量的3次元形状を求める必要があるとは限らない.手書き線画が利用されるような場面では,描画者自身が3次元形状を厳密なレベルまでは把握していないことが多く,形状情報の伝達という目的からいえば,描画者が意図している形状の相違を適切に反映した形状情報を復元することが重要であり,それ以上の形状の具体性や線画との厳密な整合性を考慮することはあまり意味がない.そこで本研究では,このような描画者が意図したレベルの形状の相違を反映した,定性的な3次元形状復元の実現を目的とし,このための第一歩として,物体中の角の鋭角,直角,鈍角の区別に基づく形状復元を試みる.この際,上述のような手書き線画のもつ曖昧さのため,常に正しい3次元形状を一意に決定するための客観的な手続きを定めることは困難であるとの考えから,複数の候補を優先順位をつけて提示し,適切なものの選択を要求するという対話的な処理形態を前提とする.
社団法人情報処理学会の論文
1995-09-20

直交性に基づく線画の定性的3次元形状復元

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