イネ白葉枯病防除剤としてのフェナジンとその作用機構
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概要
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シスチンを含有する合成培地を使用して多種の薬物のイネ白葉枯病菌に対する効果を比濁報で試験した結果,フェナジンが広い濃度範囲において特異な静菌作用を示すことを見出した。単針接種法によるポット試験においてもフェナジンは高い防除価を示すことを認めた。フェナジンは最小静菌濃度附近において糖源,TCA サイクル員などの呼吸基質のイネ白葉枯病菌による酸化を好気的・嫌気的両条件で抑制し,金の無細胞抽出液を白金電極付ツンベルグ管中でフェナジン存在下に保温するとフェナジン-ジヒドロフェナジンによると見られる緩衝電位が記録される。また可溶化コハク酸酸化酵素系ではフェナジンの添加により本菌のチトクロム系の還元が抑制されることなどが明らかになった。すなわちフェナジンはイネ白葉枯病菌の呼吸系の中に取込まれて呼吸を抑制する系を新たに形成することが静菌作用を示す一つの原因であると考えた。
- 日本植物病理学会の論文
- 1965-05-31
著者
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