イネいもち病菌エリシターで処理したイネ葉身組織のスーパーオキシドアニオン生成酵素 : NADPHオキシダーゼ
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
いもち病菌に感染した, あるいは同菌エリシターで処理した葉身組織片で膜情報伝達系の作動によって活性化されるスーパーオキシドアニオン生成酵素は, 原形質膜結合性酵素でフラボタンパク質であり, おそらく一電子伝達素子が共存していると考えられている。この種の酵素では酵素学上からNADPHが基質と考えられるが, 本例では明確にされていなかった。既報のニトロブルーテトラゾリウム還元法でO^⨪_2生成動態を調べたところ, NADPHを基質として高初速度でO^⨪_2生成を持続するにはNADHの共存を必要とすることが観察された。葉身細胞の細胞質にはNADP+に絶対依存性を示す脱炭酸性リンゴ酸酵素の強い活性が認められている。NADPHの供給系がリンゴ酸供給系に依存し, NADHがリンゴ酸供給系に関与しているとするとよく符合する。諸実験結果を総合して, 本O^⨪_2生成酵素はNADPHオキシダーゼの一種と考えられた。
- 日本植物病理学会の論文
- 1990-10-25
著者
-
芳賀 実
玉川大学農学部
-
関沢 泰治
玉川大学農化
-
関沢 泰治
Department Of Agricultural Chemistry Faculty Of Agriculture Tamagawa University
-
加納 大聖
玉川大学農学部
-
加納 大聖
Department Of Agricultural Chemistry Faculty Of Agriculture Tamagawa University:(present Address)yok
関連論文
- セロトニン神経系に作用する薬物の投与が離乳期ラットの哺乳行動および摂食変化に及ぼす影響
- 香辛料におけるサルモネラの生残性と調理食品中での増殖性
- 40 (2-amino-4-methylphosphinobutyryl)-alanylalanineの除草作用 第2報 多年生雑草に対する再生抑制効果
- 食細胞機能を調節するオボアルブミン由来ペプチド : 食品
- プロベナゾール(オリゼメート^[○!R])のイネいもち病防除作用における特徴について
- (132) オリゼメート(3, allyloxy-1, 2-benz-isothiazol-1, 1-dioxide)のイネいもち病防除作用に関する研究 (昭和46年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- 放線菌由来の抗イネ白葉枯病物質
- (228) Streptomyces zaomyceticus SF-1836の生産する抗イネ白葉枯病物質 (昭和53年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- イネいもち病菌エリシターで刺激したイネ葉身細胞において作動する膜情報伝達系 II : カルシウム調節タンパク質の関与
- イネいもち病菌エリシターで処理したイネ葉身組織のスーパーオキシドアニオン生成酵素 : NADPHオキシダーゼ
- イネいもち病菌に感染したイネ葉身のα-リノレン酸放出酵素 : ホスホリパーゼA_2
- 植物病での誘導宿主防御機構とエチレン : イネいもち病を例として
- 非殺菌性病害防除剤プロベナゾールの作用機構に関する仮説
- 感染防御機構低下動物における感染 : Proteus morganii 1510株に対する担癌マウスのオプソニン抗体形成の抑制
- ラットにおける視床下部弓状核ニューロンの発達と哺乳-離乳行動移行との関わり
- プロベナゾールとイネいもち病菌感染宿主葉組織の呼吸バースト
- (11) イネいもち病菌菌体中に存在するイネ体内peroxidase誘導物質の化学組成 (昭和59年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- (157) プロベナゾール処理 : いもち病菌接種イネから分離した抗菌物質A (昭和57年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- ビアラホス処理植物におけるアンモニア蓄積
- ビアラホス処理ヒエ茎葉のグルタミン合成酵素阻害および遊離アミノ酸量の変動
- 20 ビアラホスの除草作用 : 第5報 他剤との混合効果について
- 微生物代謝産物の除草剤としての利用--放線菌の培養液から見いだされたビアラホス・グルタミン合成酵素に作用点(今日の話題)
- 33 (2-amino-4-methylphosphinobutyryl)-alanylalanineによる
- 非殺菌性病害防除剤プロベナゾールの親和性タンパク質の検索 : 物理化学・分析化学
- イネいもち病菌エリシターで刺激したイネ葉身細胞において作動する膜情報伝達系 I. : ホスホリパーゼ C 系の作動
- (68) イネいもち病菌菌体中に存在するイネ体内 peroxidase 誘導物質とイネ品種との関係 (昭和58年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- いもち病菌感染イネ葉における宿主防御機構に関与する酵素の活性化についての動力学的研究
- イネいもち病菌体中に存在するイネ体内 peroxidase 誘導物質
- (41) イネいもち病菌中に存在する抵抗性誘導物質 : 第3報 抵抗性関連諸酵素の活性増加および抗菌性物質の誘導 (夏季関東部会講演要旨)
- 植物ホルモン類処理のイネ葉のパーオキシダーゼ活性といもち病発病に及ぼす影響
- (182) いもち病防除剤の効果に及ぼす植物ホルモン類の影響 (昭和56年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (84) イネいもち病菌中に含まれるイネパーオキシダーゼ誘導因子の諸性状 (昭和56年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (14) いもち病菌中に含まれるイネのパーオキシダーゼ産生を誘導する因子 (昭和55年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (12) 植物ホルモン処理によるイネのパーオキシダーゼ活性の増加 (秋季関東部会講演要旨)
- (134) オリゼメート処理イネのフェノール代謝系酵素活性について (昭和54年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- イネいもち病防除におけるプロベナゾールのイネ体に与える影響
- ラットの母から新生仔と胎仔へのビタミンEの移行
- エリシター刺激イネ葉プロトプラストにおけるカルシウム動態 : 植物
- ビタミンE欠乏食飼育ラットにおける各種臓器中のα-トコフェロール含有量とその保持性 : 食品
- イネ白葉枯病の病態生化学的研究 : II イネ白葉枯病菌の数系統および近縁細菌の硫黄源利用性
- イネ白葉枯病防除剤としてのフェナジンとその作用機構
- 30 ビアラホスの除草作用 : 第4報 植物による吸収・移行について
- 平成8年度共同研究中間報告(1) : 環境保全及び資源管理を基盤とした持続型家畜生産システムの開発研究
- 植物ホルモン類とイネいもち病抵抗性の関連について
- (11) 植物ホルモン類とイネいもち病発病との関連について (秋季関東部会講演要旨)
- Symposium IV : Recent Advances in Fungicide Research
- 培養血管内皮細胞におけるtissue-Plasminogen Aotivator(t-PA)産生に及ぼすビタミンEの影響 : 食品
- キュウリ斑点細菌病菌(Pseudomonas lachrymans)の薬剤耐性
- 殺菌剤プロベナゾールの作用機構に関する研究
- 殺菌剤研究の最近の進歩 (植物病理学最近の進歩--ICPPシンポジウムより)
- 67. (2-amino-4-methylphosphinobutyryl)-alanylalanine の除草作用 : 第1報
- フェナジン-5N-モノオキシドのイネ葉呼吸 : 光合成酸化還元系に対する影響および葉上における光分解
- キュウリ斑点細菌病菌(Pseudomonas lachrymans)によるdihydrostreptomycinの酵素的不活化について : 不活化物質の単離と構造研究
- (206) キュウリ斑点細菌病菌の薬剤耐性について : 第5報 Dihyrostreptomycin不活性化と, その反応産物 (昭和52年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- 魚類麻酔剤2-アミノ-4フェニルチアゾ-ルの残留分析-2-メダカでの抱合体の化学構造〔英文〕
- (240) オリゼメートのイネいもち病防除作用に関する研究 II (昭和49年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- フェナジン-5N-モノオキシドのイネ白葉枯病に対する作用機構
- (113) フェナジン-5N-オキシドのイネ白葉枯病菌に対する作用機構 (殺菌剤(昭和43年度日本植物病理学会大会講演要旨))
- 魚類麻酔剤2-アミノ-4-フェニ-ルチアゾ-ルの残留分析-1-メダカによるラジオトレ-サ-モデル実験〔英文〕
- 魚類麻酔剤2-アミノ-4フェニルチアゾ-ルの残留分析-2-メダカでの抱合体の化学構造〔英文〕