感染防御機構低下動物における感染 : Proteus morganii 1510株に対する担癌マウスのオプソニン抗体形成の抑制
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概要
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Proteus morganii 1510株の10^7個 (生菌または死菌) を正常マウスに静脈内接種した場合, 血清オプソニンは接種後2日以降に増加した。しかし, 10^7個の死菌を接種された Sarcoma-180 (S-180) 担癌マウスでは, 血清オプソニンの増加は, 観察されなかった。血清オプソニンを抗マウスIgG抗体あるいは抗マウスIgM抗体で前処理した場合, オプソニン活性の減少は顕著であった。また, 56℃, 30分間の加熱処理で, 血清オプソニン活性は消失したが, 補体源として担癌マウス血清を添加した場合, 本活性の回復が観察された。一方, 接種後3日以降に産生された血清オプソニンは担癌マウスに対する本菌の感染を有意に防御した。これに対し, 担癌マウスから採取した血清は防御効果を示さなかった。血清オプソニンを抗マウスIgM抗体で処理した場合, 防御効果の有意な減少が観察されたが, 抗マウスIgG 抗体処理の場合, 有意な減少は観察されなかった。以上の成績から, P.morganiiに対する担癌マウスの高感受性は, 菌接種後の抗体 (IgM) 産生の著しい抑制にもとづくと思われた。
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1984-02-01
著者
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