プロベナゾール施用が, イネ体中における病害抵抗性関連酵素類の活性に及ぼす影響について
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概要
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植物の病害抵抗性と関連があるといわれている酵素のうち, peroxidase, polyphenoloxidase, phenylalanine ammonia-lyase, tyrosine ammonia-lyaseおよびcatechol-O-methyltransferaseについて, プロベナゾールを施用した場合のイネ体内における活性変動を調べた。その結果, これらの酵素はいずれもプロベナゾールを施用することによってその活性が増加することが認められた。活性増加は, プロベナゾール施用-いもち病菌接種区で最も大きく, 特にパンチ接種の場合, 接種部位およびその周辺で高く, これに反しプロベナゾール無施用-いもち病菌無接種区の活性は最も低かった。また, プロベナゾール施用-噴霧接種区においては, イネ葉面上に小さな褐点が生じることがしばしば認められた。さらに, プロベナゾール施用-パンチ接種区の場合も, 接種部位が急速に褐変化した。従って, いもち病菌の感染を受けた細胞のまわりに, リグニン様物質が蓄積され, それに伴って物理的防御壁が形成されることと, プロベナゾール施用とが, 密接に関連しているものと考えられる。
- 日本植物病理学会の論文
- 1980-07-25
著者
-
関沢 泰治
明治製菓中央研究所
-
岩田 道顕
明治製菓薬品総研
-
渡辺 哲郎
明治製菓中央研
-
岩田 道顕
明治製菓中研
-
鈴木 幸雄
明治製菓中研
-
間瀬 定明
明治製菓薬品開発部
-
鈴木 幸雄
明治製菓中央研究所
-
岩田 道顕
明治製菓中央研究所
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