ナシ黒斑病菌毒素を処理した宿主細胞における陥入原形質膜へのゴルジ小胞の融合
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概要
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ゴルジ小胞の特異的染色液であるアルカリビスマス液を用いて, AK毒素を処理した宿主細胞内のゴルジ小胞の数を計測して毒素処理後の宿主細胞の活性を調べた。本毒素は, 宿主細胞の原形質膜を陥入させ陥入膜から多量の膜片を喪失させる。毒素を1, 3, 6時間処理した宿主細胞では, アルカリビスマス液に陽性のゴルジ小胞が, 陥入原形質膜周辺の細胞質に多数出現し, その多くは陥入膜に融合していた。しかし, 毒素を10時間処理した壊死組織の細胞ではゴルジ小胞はほとんど認められなかった。対照区と毒素処理した抵抗性ナシ葉細胞にはゴルジ小胞の異常な集積と融合は観察されていない。毒素処理6時間以内では宿主細胞は, 増高したゴルジ活性と多くのゴルジ小胞と融合する能力のある原形質膜を有しているためまだ生きているが, 10時間後ではこれらの活性と能力の著しい低下のため細胞は死んでいると考えられる。これらの結果は, ゴルジ分泌活性の増高が細胞の活性と関連をもち, 生産されたゴルジ小胞は変性原形質膜の修復を行っていることを示唆する。
- 日本植物病理学会の論文
- 1988-10-25
著者
-
西村 正暘
名古屋大学農学部
-
大野 藤吾
帝京大学医学部付属市原病院整形外科
-
甲元 啓介
鳥取大学農学部
-
尾谷 浩
鳥取大学農学部
-
朴 杓允
帝京大学医学部整形外科教室
-
朴 杓允
帝京大学医学部整形外科学教室
-
大野 藤吾
帝京大医
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