非親和性疫病菌レースの侵入によるジャガイモ細胞の過敏感反応に対するAlternaric acidの影響
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概要
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ジャガイモの夏疫病菌 (Alternaria solani) の生産するAlternaric acid (AA)は宿主特異的毒素(Host-specific toxin)に似た様式でジャガイモのA. solaniの感染に重要な役割を果たす物質であることを既に報告した。本報ではジャガイモの品種リシリ (抵抗性遣伝子-Rl) が, 疫病菌 (Phytophthora infestans) の非親和性レース, race 0 の感染を受けるときの, AAの影響を調べた。100μM AAは暗黒中で塊茎から成長した非緑色のジャガイモの茎の切片細胞の呼吸依存性膜電位のほとんどすべてを脱分極した。50μMでは呼吸依存性電位の半分以上を脱分極した。これらの実験で, AAは拡散電位に影響を与えなかった。50, l00および200μM AAの処理によって, ジャガイモ塊茎の細胞のrace 0の侵入に対する過敏感細胞死は著しく遅延した。以上の実験結果から, AAは, 菌感染の極く初期の細胞死を遅延することによって夏疫病菌の感染成立に役割を果していると考えられる。
- 日本植物病理学会の論文
- 1992-01-25
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