Pseudomonas lachrymansにおけるdihydrostreptomycin耐性の伝達性について
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概要
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Pseudomonas lachrymansから高頻度に検出されるdihydrostreptomycin(DHSM)耐性の伝達性について検討した。伝達試験は混合培養法を用いた。その結果, 供試したDHSM耐性109菌株中, 13菌株において, DHSM感受性菌P. lachrymans 7563 (rifampicin耐性)への伝達が顕著に認められた。伝達頻度は, 混合培養後急増し, 24時間後には10^<-1>であった。この伝達は耐性株の培養ロ液においては認められず, Resistance (R) plasmidの存在が推測された。しかしながら, acriflavine, acridine orange, ethidium bromideおよび, sodium dodecyl sulfateなどの処理によって, 耐性脱落株は得られなかった。そこで更に伝達が認められた耐性株75101について, R plasmidの抽出を試みた。抽出方法は, cleared lysate法を用い, agarose gel電気泳動法で分析した。その結果, 耐性株には少なくとも2種類のplasmid DNAが存在し, その分子量は, 86×10^6および, 58×10^6 daltonと推定された。しかしながら, これらplasmid DNAは, transconjugantには認められず, またP. lachrymans 7563, P. aeruginosa PAO 9501および, Escherichia coli Cへのtransformationも不成功に終った。以上の結果, DHSM囲性がR plasmidの支配であるか否かについては更に検討を要し, また得られた2種類のplasmid DNAは, "cryptic plasmid"の範ちゅうに属するものと判定せざるを得ない。
- 日本植物病理学会の論文
- 1979-04-25
著者
-
矢野 博
中国農試
-
藤井 溥
東京農業大学農学部
-
伊佐山 康郎
家畜衛生試験場
-
寺門 誠致
農林水産省農林水産技術会議
-
寺門 誠致
農林水産省家畜衛生試験場
-
伊佐山 康郎
農林水産省家畜衛生試験場
-
矢野 博
東京農業大学
-
向 秀夫
東京農業大学
-
福安 嗣昭
明治製菓(株)中央研究所
-
伊佐山 康郎
家畜衛生試
-
向 秀夫
東京農業大学農学部
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