実験動物由来大腸菌の薬剤耐性とRプラスミドについて
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
1980年わが国の主要な9研究施設および12生産施設に由来する実験動物の新鮮糞便から計1,840株の大腸菌を分離し, 薬剤耐性と伝達性Rプラスミドの検索を行なった. 供試菌1,840株中6施設に由来する78株(4.2%)のみが薬剤耐性を示した. マウス, ラットおよびウサギからの耐性菌検出頻度はそれぞれ, 1.1%, 10.3%および1.9%であったが, モルモットおよび野生げっ歯類から耐性菌は検出されなかった. テトラサイクリン投与を常時行なっていた施設では高い耐性菌出現率を示した. しかし, テトラサイクリン投与中止後1〜3年を経た施設では耐性菌は検出されなかった. 接合伝達試験の結果, マウスおよびウサギ由来耐性菌の全株とラット由来株の83.3%がRプラスミドを有していた. 以上の結果から,実験動物の多くは薬剤耐性大腸菌フリーの状態にあるが, この分野でも薬剤投与によって, 明らかに耐性菌とRプラスミドの増加がおこっていることがわかった.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1983-02-25
著者
-
寺門 誠致
農林水産省農林水産技術会議
-
寺門 誠致
農林水産省家畜衛生試験場
-
下田 耕治
慶應義塾大学医学部動物実験センター
-
前島 一淑
慶應義塾大学医学部動物実験センター
-
下田 耕治
慶応義塾大学 医・動物実験センター
-
前島 一淑
慶應義塾大学医学部
-
前島 一淑
慶應義塾大学医学部実験動物センター
-
前島 一淑
慶応義塾大学 医・動物実験センター
-
前島 一淑
慶応大学医学部動物実験施設
-
浦野 徹
熊本大学医学部動物実験施設
-
Maejima K
School Of Medicine Keio University
-
Maejima Kazuyoshi
Department Of Hygiene And Microbiology Faculty Of Veterinary Medicine Hokkaido University:(present A
-
Maejima Kazuyoshi
Keio University
-
Maejima Kazuyoshi
School Of Medicine Keio University
関連論文
- 動物実験に関する法規制の近未来について
- 2 動物由来緑膿菌の in vitro における各種化学療法剤感受性について (微生物学分科会)(第73回日本獣医学会)
- 間接蛍光抗体法による気腫疽および悪性水腫菌の菌体表層に存在する共通抗原の証明(短報)
- 酵素抗体法による気腫疽ワクチン接種マウスの抗体検出
- 実験動物由来大腸菌への薬剤耐性の浸透(短報)(動物実験学)
- 5 Gontobiote-豚腸管内におけるR因子伝達におよぼすマカルボマイシンの影響について (微生物学分科会)(第73回日本獣医学会)
- 4 In Vitro におけるR因子伝達におよぼすマカルボマイシンの影響について (微生物学分科会)(第73回日本獣医学会)
- Actinobacillus pleuropneumoniae感染に対する単クローン抗体によるマウス受身防御
- 急性敗血症型豚丹毒例から分離された豚丹毒菌の薬剤耐性
- 動物実験の科学的根拠と研究者の倫理的責任
- Rプラスミド保有大腸菌のマウス腸管内定着性〔英文〕
- ノトバイオートマウス腸管内におけるcrypticプラスミドのRプラスミド化について
- 実験動物由来薬剤感受性大腸菌に存在する Cryptic プラスミドのRプラスミド化について
- 実験動物由来大腸菌の薬剤耐性とRプラスミドについて
- マウス,ラット,ウサギを対象としたEnterobacter cloacae,Serratia marcescensおよびYersinia enterocoliticaの検索〔英文〕
- 縁膿菌のマウス体内分布
- 40 豚由来Bordetella bronchisepticaの化学療法剤に対する感受性について(微生物学分科会)(第71回日本獣医学会記事)
- 犬由来Brucella canisの薬剤感受性
- Actinobacillus pleuropneumoniaeから分離された大腸菌K12株に溶血性を付与するDNA
- Carbadox耐性形質を有するR plasmidの疫学的検討
- 300 抗生物質の体内分布に関する研究 : XXII. オキシテトラサイクリン,タイロシンの注射による豚体内分布と消長について (生理学・薬理学分科会)(第73回日本獣医学会)
- 31 ペニシリンの豚丹毒菌に対する静菌的,殺菌的作用ならびに豚体内分泌と消長について (微生物学分科会)(第70回日本獣医学会)
- 57 Vibro coliのin vitroにおける各種抗菌剤に対する態受性試験 (微生物学分科会)(第69回日本獣医学会)
- 51 腸丹毒菌人工感染豚における抗生物質投与後の抗体の推移について (微生物学分科会)(第69回日本獣医学会)
- 東京地区の野良ネコにおける白血病ウイルス汚染状況
- Changes in Body Weight and Organ Weight of Ishibashi (IS) Rats with Growth
- バクテリアトランスロケ-ションにおける加齢の影響〔英文〕
- 実験動物管理システム (獣医学情報ネットワ-ク)
- 2. 大腸菌コンピーテントセルの凍結および凍結乾燥による保存性(昭和58年度第29回凍結及び乾燥研究会特別講演及び研究報告)
- 無菌動物の生理学的特性
- わが国の家畜由来サルモネラにおける薬剤耐性とRプラスミドの検索
- (144) キュウリ斑点細菌病菌に由来するストレプトマイミン耐性の形質転換について (昭和55年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- Pseudomonas lachrymansにおけるdihydrostreptomycin耐性の伝達性について
- 164 家畜および健康人由来大腸菌のin vitroにおける化学療法剤感受性とR因子について(公衆衛生学分科会)(第71回日本獣医学会記事)
- 169 動物由来病原大腸菌のin vitroにおける化学療法剤感受性と因子について (公衆衛生学分科会)(第70回日本獣医学会)
- 14 Gnotobiote-豚腸管でのR因子の伝達と耐性の解離について(微生物学分科会)(第72回日本獣医学会記事)
- クエン酸陽性大腸菌由来のクエン酸利用能の性状 : 大腸菌, 赤痢菌およびサルモネラにおけるクエン酸利用能の安定性と伝達性
- 「動管法」から「動物愛護法」へ
- 「動物の保護及び管理に関する法律」改正に関する経過と今後の見通し
- 動物実験の根拠と理由と倫理(動物実験を考える)
- 動物実験に関連する法規の見直しと研究者の責任
- 獣医大学における動物福祉教育
- "開かれた"動物実験の将来像
- 第133・134回日本獣医学会シンポジウム「動物を用いた獣医学教育」記録(II)近未来の獣医学における動物を用いた実習教育の是非(第133回日本獣医学会)
- 第133・134回日本獣医学会シンポジウム「動物を用いた獣医学教育」記録(I) : 獣医学教育における動物利用のあり方(第134回日本獣医学会)
- ヒト疾患の動物モデルの開発
- 実験動物教育の諸問題 (これからの動物実験)
- 動物におけるバイオテクノロジ-応用の倫理問題 (畜産におけるバイオテクノロジ-)
- 医学系大学における実験動物教育の現状
- 動物実験と東西文化の溝
- 実験動物の苦痛とその軽減 (動物実験とその倫理性)
- ショ糖密度勾配遠心によるマウス血小板分画法について
- 実験動物のあり方--動物実験と実験動物
- 実験動物の福祉
- SPF動物にかかわる諸問題 (実験動物の現状と展望)
- 各種ふつう動物の糞便を経口投与した(元)無菌動物の細菌そう〔英文〕
- マウスおよびラット糞便由来菌の薬剤耐性に関する検索〔英文〕
- アイソレ-タ用エアフィルタの除菌性能に関する検討
- 無菌マウスおよびラットの無菌試験に関する経験〔実験動物中央研究所と東大医科学研究所の無菌試験に関するデ-タのまとめ〕
- 慢性豚丹毒罹患豚より分離したErysipelothrix rhusiopathiaeからのプラスミドDNAの検出
- 動物衛生研究の新たな展開 : 動物を守る,ヒトを守る
- ズーノーシス
- ノトバイオート豚での大腸菌の腸管毒素産生プラスミドの伝達(短報)
- 下痢子牛および健康牛における毒素原性大腸菌の分布
- 東京大学医科学研究所動物センター繁殖室に設置されたオートクレーブの滅菌条件に関する検討
- ストレプトゾトシン頻回投与糖尿病マウスおよび自然発症糖尿病(NOD)マウスの細菌転移
- Deodorization of Laboratory Animal Facilities by Ozone
- Colonization and Pathogenicity of Saccharomyces Cerevisiae,MC16,in Mice and Cynomolgus Monkeys after Oral and Intravenous Administration
- 実験動物と法律/実験動物は"モノ"や"道具"か?--日本における動物実験の現状 (特集/動物たちをとりまく法律--人と動物 ともに生きる社会づくり)
- SOME EXPERIMENTS ON ASCENDING OF CORYNEBACTERIUM RENALE IN MICE FROM URINARY BLADDER INTO KIDNEYS
- Candida guilliermondii Infection in SCID Mice in Association with the Acceleration of the Elimination of Transfused Human Red Blood Cells
- 動物愛護管理法改正により「動物実験」は変わるのか?
- キュウリ斑点細菌病菌に由来するストレプトマイシン耐性の緑膿菌および大腸菌への伝達について
- SS-4 Animal Experimentation and Bioethics(SATELLITE SYMPOSIUM: TOXICOLOGY AND BIOETHICS)(Proceedings of the 31st Annual Meeting)
- 実験動物ニュース 日本実験動物学会からのお知らせ 外部検証に関する原則--日本実験動物学会動物福祉・倫理委員会からの提言
- マウスの糞便および盲腸内容物由来菌の同定
- Association of gnotobiotic mice with various organisms isolated from conventional mice
- Serological typing of Pseudomonas aeruginosa from mouse breeding colonies
- 過酢酸の定量法と安定性
- 無菌動物の微生物学的統御に関する諸問題 とくにアイソレータの構造と滅菌方法について
- Bacteriological and clinical observations of experimental infection with Pseudomonas aeruginosa in mice
- 無菌マウスの飼育と実験に要する作業時間
- マウスコロニーから緑膿菌を検出・分離する方法
- フローラの構成機構 マウスの場合 (第17回実験動物談話会記録(特集)) -- (フローラの役割は何か?(シンポジウム-D-))
- 大腸菌単一汚染マウス(gnotobiote)における血清凝集抗体価,ならびに,各臓器の組織像について
- Gnotobiote,無菌動物部門のまとめ (わが国の実験動物研究成果のまとめと問題点の提起(第16回実験動物談話会シンポジウム記録))
- ふつうの飼育環境に出されたGnotobiotes(マウス)の糞便菌そうの変化〔英文〕
- Gnotobiotic,SPFならびにConventional ICRマウスの糞便菌そうの検索
- マウスの消化管内細菌に関する検索-3-発育にともなう糞便菌数の変化
- マウスの消化管内細菌に関する検索-2-各種系統マウスの糞便菌数
- マウスの消化管内細菌に関する検索-1-培地の検討
- (31) Pseudomonas lachrymansにおけるストレプトマイシン耐性の他種細菌への伝達 (秋季関東部会講演要旨)
- (24) Pseudomonas lachrymansにおける伝達性ストレプトマイシン耐性と, plasmid DNAの検出について (昭和53年度地域部会講演要旨(秋季関東部会))
- 「動物の愛護及び管理に関する法律」と改正法の概要
- 外部検証に関する原則 : 日本実験動物学会動物福祉・倫理委員会からの提言
- Limited-floraマウスにおける緑膿菌の消化管定着について
- タイトル無し