インタラクティブ・システムにおける状況的な行為とその協調計算 (<特集>音声言語情報処理)

概要

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日常での会話やある秩序だった行為は必ずしも事前に用意されたプランや手続きによってナビゲートされているわけではない. 最近のエスノメソドロジー研究なども指摘するように, 会話などの相互行為は, 状況的な行為とその文脈との相互作用の結果としてオリジナルに組織化され, レギュレートされているといえる. こうした視点から会話現象をとらえ直す作業と並行して, インタラクティブ・システムもまた「複雑で多様な相互行為を組織化する会話参与者の1人である」との立場から, その設計に対する見直しが必要に思われる. 本論文では, 状況的な行為とその文脈との相互作用により合目的的な行為を組織化するメカニズムに基づいて, インタラクティブ・システムのプロトタイプを構築することを試みた. また, その基本的な振舞いを検証した結果, ここで構築されたプロトタイプシステムでは, (a)省略をともなう発話の解釈を文脈との協調計算やユーザとの相互行為の結果として組織化する, また, (b)文脈からの影響や状況的な行為(ここでは「ふるまい」と呼ぶ)の間での相互依存の度合いを制御することにより, それぞれ性質の異なる解釈をオリジナルに組織化する, など柔軟な性質を備えることを明らかにした.
社団法人情報処理学会の論文
1999-04-15

インタラクティブ・システムにおける状況的な行為とその協調計算 (<特集>音声言語情報処理)

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