汎用計算機のための条件制御ベクトル演算方式
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概要
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より高い性能の汎用計算機を実現するため, すでに報告したように, 科学技術計算用途を念頭においた内蔵ベクトル演算機構と自動ベクトル・コンパイラからなる内蔵ベクトル演算方式を開発し実用化した. しかし, この方式をより効果あらしめるには, ソース・プログラムからベクトル・コードに変換される割合, ベクトル化率をより高める必要がある. このため今回新たに, 従来不可能だったIF文(条件文)を含むDOループをベクトル化する条件制御ベクトル演算方式を開発した. 制御ベクトルの制御下にハードウェア機構としては, 演算を選択的に実行する26の条件制御ベクトル命令と, これら制御ベクトルを取り扱う12の制御ベクトル生成命令を内蔵ベクトル演算機構に追加した. また, ソフトウェア機能としては, IF文を含むDOルーブを上記命令列に変換する機能, IF文を局在化して残りの部分をベクトル化する機能などを自動ベクトル・コンパイラに付加した. この方式をHITAC M-200Hで実験したところ, 50%の演算実行比率を前提にしたループ・ミクスで2.74〜3.06倍の性能改善効果が確認できた. また, 2次元拡散プログラムの例では, 従来のベクトル演算方式よりさらに1.64倍の性能向上が図られた. これらの結果をもとに, HITAC M-280Hで条件制御ベクトル演算方式を実用化した.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1983-07-15
著者
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