並列計算機向けDEQSOLの基本検討
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概要
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次代を担うスーパーコンピュータの1つのアプローチとして、並列計算機H2Pの研究を進めている。H2Pの能力を生かすためには、プロセッサへの演算の割り当て、通信の制御などを考慮した複雑なプログラミングが要求される。著者らはH2Pに対するソフトウェア危機を回避する手段として、高水準言語DEQSOLの利用を検討している。DEQSOLは物理現象を支配する偏微分方程式の数式レベルの記述からスーパーコンピュータ向けのFORTRANコードを自動生成するシステムである。DEQSOLを用いて問題のスペックのみを記述し、そこからH2Pに適合したコードを生成することにより、利用者は計算機のアーキテクチャを意識することなしにシミュレーションを行うことができる。H2P向けDEQSOLの開発に当たっては、DEQSOLプロ/ラム中に表現された領域形状と計算スキームから各プロセッサへの空間割り当てを決定する領域分割法、および問題の並列性を最大限に引き出す並列計算アルゴリズムの開発が必要となる。ここではこれらの課題に対する基本検討の結果を報告する。なお、ここで対象とするH2Pは、以下の特徴を持つ。(1)要素プロセッサ(PE)の台数は数十〜数百台規模である。(2)分散メモリ型のアーキテクチャを持ち、任意のPE間のデータの通信を行なうことができる。(データを他のPEへ送ることをSEND、他のPEから受け取ることをRECEIVEと呼ぶ。)
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1989-03-15
著者
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