数値シミュレーション用プログラミング言語DEQSOL
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概要
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DEQSOL(Differential EQuation SOlver Language)は数値シミュレーション用に設計された問題向きプログラミング言語であり, 偏微分方程式の解法を数値アルゴリズムのレベルで記述することを目的とする. 言語設計の狙いは二つあり, 第1はこの分野におけるプログラム生産性を飛躍的に向上させることであり, 第2は数値シミュレーションに通常用いられるベクトル計算機や並列計算機に向けたプログラムに対しシステム側の最適化の余地を保持することである. このために言語の設計にあわせて, DEQSOLで書かれたプログラムをベクトル/並列計算機向きFORTRANコードに自動変換するトランスレータを検討・開発した. 言語の設計にあたっては, 領域形状, メッシュ分割, 微分演算子, ベクトル, 境界条件など偏微分方程式系の数値シミュレーションに固有の概念を導入して, 差分法に基づく計算手順を簡潔・柔軟に記述できるように工夫した結果, 典型的な3次元流体シミュレーションプログラムをFORTRANの10分の1以下の行数で作成する実績を得た. また差分法や線形解法に内在する並列性を生かしたFORTRANコードの生成に努めた結果, M2O0HIAPにて90%以下のベクトル化を達成することができた. DEQSOLは解法記述言語である点でPDELやELLPACKなどのソルバとは異なり, むしろPDELANのアプローチを拡張・発展させたものである.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1985-01-15
著者
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