類推を用いた入出力例題からの論理プログラムの合成手法の提案

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プログラム合成はソフトウェア工学の主目標のひとつである.とりわけ,仕様として入出力例題を与える方法は人間の直観に合った有望な方法であるが,これだけでは情報量が少なく,高度な合成が難しいという問題点があった.そこで,本研究では,論理型言語を対象にして,既存のライブラリ中の類似プログラムから類推を行うことで情報量を補い,入出力例題から比較的高度なプログラムを合成する方法を提案する.ここで提案する方法では,まず,与えられた入出力例題と既存の類似プログラムの入出力間に共通の制約を抽出する.このようなことを行うため,制約を表現する方法を工夫し,共通制約の自動抽出アルゴリズムを考案した.次に,プログラムの構造を抽象化した型に注目し,これを用いることにより,構造の中で共通制約と関連づけられた部分を写像する手法を考えた.それ以外の部分は,入出力例題に合わせて構造を修正するようにした.また,類似したプログラム間に共通の構造を一般化することにより新たにスキーマを生成し,作業を進めるに従って合成の効率を向上させてゆくことを可能にしている論理型言語 Prolog によるリスト処理を行う再帰プログラムを対象として試作したプログラム合成システムを使った実験を行った結果,本提案によって,類似プログラムが存在すれば,これまでの方法よりも高度なプログラムの合成が可能であることが確かめられた.
一般社団法人情報処理学会の論文
1991-09-15

類推を用いた入出力例題からの論理プログラムの合成手法の提案

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