オブジェクト指向モデルを用いた要求獲得の支援
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概要
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標準的な業務知識をオプジェクト指向モデルを用いて表現した業務モデルは,分析者が要求者から要求を獲得するためのコミュニケーションの基盤となる.しかし,人間の認知限界を超える大規模な問題領域においては,業務モデルを理解すること自体が難しい.そこで,本論文では,錯綜した業務モデルを大局的に理解することを支援するツールを提案する.本ツールのメカニズムは,次のように説明される.業務モデルは,混沌とした状態にある組織である(入力).本ツールの利用者である要求者と分析者は,組織に対して刺激を与える(入力).すると,これに反応して,組織の構成要素が局所的に協調することによって,大局的なパターンが発現する(出力).刺激が変化すれば,反応も変化するので,利用者は,さまざまなパターンを対話的に発現させることができる.このとき,要求者と分析者の間に,コミュニケーションが発生する.したがって,分析者は,パターンの観察と要求者とのコミュニケーションを通して,組織の性質を理解するようになる.本ツールを図書館業務に適用する実験では,図書館システムに対する要求を獲得する上で有効なパターンを探索することができた.このパターンには,局所的な構造の集積の中に隠された大局的な構造を可視化することによって,問題領域の見通しを良くする効果があることを確認した.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1994-11-15
著者
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