スロット仮想空間によるオブジェクト間通信の高速化
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概要
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本論文では,オペレーティングシステムにおいて同一計算機内のオブジェクト間通信を高速化するための仮想記憶管理技法について述べる.本技法では,仮相空間を同じ大きさの断片(スロットと呼ぶ)に分割し,オブジェクトに一つあるいは複数のスロットを与える.これにより,(1)複数のオブジェクトが仮想空間を共有するため,同一計算機内のオブジェクト間通信時に,コンテキストスイッチとそれに伴うTLB(TranslationLookasideBuffer)エントリおよびキャッシュエントリの削除が必要なくなり,(2)仮想空間間でオブジェクトを移動することにより,異なる仮想空間間での通信頻度を削減でき,(3)オブジェクト間通信を手続き呼び出しに書き換えることにより,通信速度の高速化と通信経路の最適化ができる.本技法をオペレーティングシステムApertosに実装し,Nullメソッドの実行時間を測定した.その結果,従来の各オブジェクトに独立の仮想空間を与える場合と比較して,(1)および(2)によりオブジェクトが仮想空間を共有した場合で1.7倍から4倍の高速化が,さらに(3)と組み合わせることにより約200倍から約400倍の高速化が達成できた.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1993-05-15
著者
-
所 真理雄
慶応大
-
所 真理雄
慶応義塾大学理工学部院
-
所 真理雄
慶應義塾大学
-
所 真理雄
慶應義塾大学理工学部:(株)ソニーコンピュータサイエンス研究所
-
所 真理雄
慶應義塾大学電気工学科
-
所 真理雄
慶應義塾大学大学院理工学研究科:(株)ソニーコンピュータサイエンス研究所
-
所 真理雄
ソニーコンピュータサイエンス研究所
-
横手 康彦
(株)ソニーコンピュータサイエンス研究所
-
横手 靖彦
ソニー(株)アーキテクチャ研究所
-
光澤 敦
慶應義塾大学理工学部計算機科学科
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