単一2次元アドレス空間を提供する拡張可能なマイクロカーネルの開発

概要

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マイクロカーネルは対象に応じた資源管理を提供できるので, 多様なデータを扱うパターンデータ処理に有効である. しかし, 既存のマイクロカーネルは互いにリンクされたデータを扱うことが難しいという問題があった. また, ユーザが保護のポリシーを決定できず, 信頼性と性能とのトレードオフを図ることが困難であった. 我々は, マイクロカーネルで単一2次元アドレス空間を提供することによって, データ間のリンクをポインタで表現し, 保護の問題を解決する. 単一2次元アドレス空間では, 線形なアドレス空間を持つセグメントの集合からなる2次元のアドレス空間を全タスクで共有する. また, コンテキスト切替えを減少させる throw と呼ぶ構成プリミテイブを提供し, ダイナミックリンクによって資源管理部を拡張することで高速で柔軟なシステム構成を可能にする. このマイクロカーネルでは, ユーザが保護のポリシーを設定できる保護空間と呼ぶ保護機構を提供することで, 信頼性と性能とのトレードオフを図ることを可能にする. さらに, 我々はマイクロカーネルアーキテクチャの研究の基盤を提供するためにマイクロカーネル自体に拡張性を持たせた. このマイクロカーネルを Intel 486 (100MHz) 上で実装した結果, throw のオーバヘッドは同ータスク内では0.89μsタスク間では113μsとなった.
一般社団法人情報処理学会の論文
1997-05-15

単一2次元アドレス空間を提供する拡張可能なマイクロカーネルの開発

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