OS/omicronにおけるプログラミング言語のCAIの基本設計

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プログラミングの教育は、ただ単に知識を詰め込めばよいわけではない。文法を覚えただけでは、プログラムを書けるようになったとは言わない。プログラミングをする場合には、なんらかの問題をプログラムで解決しようとするわけであるが、その際に、(1)固定概念にとらわれず、問題をさまざまな面から観察できる。(2)問題点を的確にとらえることができる。(3)解決策をプログラム言語で記述できる。これら3つの要素がプログラマに必要である。実際のプログラミングでは、(3)は特定の言語で記述する必要はなく、仮想的なプログラミング言語でもよいのである。解決策(=アルゴリズム)をプログラミング言語と自然言語を混在した形で記述するのも一つの方法である。したがって、プログラマに必要な要素のうち、重要なのは(1)(2)のプログラミングのセンスである。プログラミングのセンスは、システム開発の経験により育成されるが、そのような経験者が常に教育を行えるとは限らない。そこで、プログラミング言語のCAIの必要性が出てくる。特にコンピュータ教育の場合、実務もコンピュータ相手であるので、簡単な仕事の例を問題にして教育していけば、教育と開発環境になれることができる。プログラミング言語に限らずどんな言語を習得する場合にも、"習うよりは慣れろ"とよく言われる。この点から見ても、プログラミング言語のセンスを磨くには、机上での講義より、演習形式の方が効果があるのは言うまでもない。したがって、CAIでも演習の中で生徒を補助する形式がよいと思われる。特にプログラムを実行させることに重点を置き、実行時のエラーに強いシステムであることが条件である。とにかく様々なことをユーザに実行させ、その結果に対する解説、評価を行なうことで、ユーザのプログラミングのセンスを磨いてことができる。プログラミング言語のCAIは、プログラミング教育の一形態として、ユーザが気軽にコンピュータを使える環境を提供する、という観点から必要であると考えられる。
一般社団法人情報処理学会の論文
1989-03-15

OS/omicronにおけるプログラミング言語のCAIの基本設計

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