マイクロカーネル方式によるCell/B.E.向けOS構成法の提案とMINIX3による実現(カーネル)

概要

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Cell/B.E.は,PPE,SPEの各プロセッサコアからなる,ヘテロジニアス構成のマルチコアプロセッサである.従来,PPEではOSを動作させシステム全体の制御を行い,SPEではアプリケーションによって大規模演算を行うのが一般的であった.しかし,OSサーバやデバイスドライバは,多数あるSPEの演算能力を生かすことができなかった.そこで,SPEをアプリケーションにだけでなく,OS機能の実行に利用し,プロセッサコアを有効活用したい.また,SPEでもPPEと同様のプロセスモデルを実現し,プログラミングを容易としたい.本研究では,MINIXのマイクロカーネル方式を利用することで,OS機能を各プロセッサコアに割当て,並列実行するモデルが成り立つと考え,Cell/B.E.に対応したMINIXの開発を行う.MINIX3に,ヘテロジニアスマルチコアに対応したプロセス管理機構を実装する.また,プロセスを実行するプロセッサコアの種類が異なっても,透過的にプロセス間通信を行える通信機構を実装する.評価の結果,SPEにおけるプロセス間通信の性能は問題ないことが分かった.
2009-01-21