SMTプロセッサにおけるアウトオブオーダ実行に必要なリソースの共有方式の評価(ARC-1:プロセッサ)(2003年並列/分散/協調処理に関する『松江』サマー・ワークショップ(SWoPP松江2003))

概要

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SMTプロセッサではILP(ILP)だけでなく, TLP (Thread Level Parallelism)を利用することにより高い並列度が実現できる.しかし,物理レジスタファイルに保持すべきコンテキストの増加により,物理レジスタファイルに必要なエントリ数が増加する.また,実行ユニットの数が増えると,それにともない物理レジスタファイルに必要な読み出しポート数が増加する.レジスタファイルのポート数の増加はレジスタファイルの面積の増加,レジスタアクセス時間の増加などを引き起こす.これらの影響は,多くの実行ユニットを持ち,多数のスレッドを実行可能なSMTプロセッサの実装の障害になる.本研究では,これらの問題を緩和する手法として,物理レジスタファイルの分割と,その動的な割り当てによるポート数の削減方式を提案する.本方式によって最大で,レジスタファイルの総面積を約73%,アクセス時間を約70%減少させることができた.また,提案方式導入によるIPCの低下は最大でも20%程度に抑えることができた.
社団法人情報処理学会の論文
2003-08-05