MPI派生データ型通信支援機構のDIMMnet-2への実装と評価(ネットワーク)

概要

論文の詳細を見る
MPIの派生データ型は,メモリ上に不連続に存在するデータを1つの型として定義することで, 1回の関数呼び出しで不連続なデータの通信を可能にし,効率的な並列アプリーションを開発するのに役立つ.しかし,多くのMPIの実装において派生データ型通信は,メモリへの不連続アクセスをともなう,一時領域を用いたコピーによるデータの連続化・不連続化処理がボトルネックとなり,性能が十分でない問題があった.本論文では,ネットワークインタフェース上に設けたハードウェア機構を利用して,このコピーを行わずに派生データ型通信を行う手法を提案する.この機構は,メモリへの不連続なアクセスを効率的に行うことができ,また,RDMAの起動時に,送信・受信側双方でのメモリアクセスパターンを指定できるという特長がある.この機構をメモリスロット装着型ネットワークインタフェースであるDIMMnet-2の試作基板に実装し,実装した機構を利用するMPIライブラリを開発した.そして,その性能を派生データ型を使った部分行列の転送により評価した.その結果,この機構を利用する場合,利用しない場合に比べて約5.2倍のバンド幅の向上と,転送に要する時間を約78.3%削減可能であることが分かった.
一般社団法人情報処理学会の論文
2007-08-15

MPI派生データ型通信支援機構のDIMMnet-2への実装と評価(ネットワーク)

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク