(45)トルコギキョウ立枯症状に関与するFusarium solani
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概要
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2002年6月,長野県内のトルコギキョウ産地で生育が不揃いとなり,やがて萎凋・枯死する病害が発生した.根部は表面から褐変するのみで維管束は褐変しなかった.病斑部からFusarium属菌が分離され,本菌分生子懸濁液の潅注接種により病徴が再現され,分離菌が回収できた.同菌はPDA培地上で10〜35℃で生育し,適温は30℃付近.25℃での生育量は5.8mm/日で速い.菌そうはクリーム色.一部青色のスポロドキアを形成.大型分生子は無色,三日月状,隔膜数1〜4個で3個が多い.大きさは平均39.7×5.8μm.小型分生子は楕円形(同4.1×5.9μm)で比較的長いフィアライド先端に擬頭状に形成.厚膜胞子は球形で二連が多い.以上の性質から本菌はFusarium solaniと考えられた.既報の立枯病はF.oxysporum及びsolaniが関与するとされる(松尾ら1980)が,病原性は未確認であった.その後前者については北海道産菌(1991)で,また後者については香川県産菌(2002)に次いで病原性が確認された.しかし両種で病徴が異なる傾向があり,病名も含め立枯病全体の再検討が必要と思われる.
- 日本植物病理学会の論文
- 2003-02-25
著者
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