RNaseによるキュウリモザイクウイルス(Y系統)の不活化
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概要
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キュウリモザイクウイルス(Y系統)の感染性はbovine pancreatic ribon uclease (RNase) と混合することにより低下する。この感染性の低下はウイルスと本酵素の混合比およびpHに影響される。本酵素はウイルス粒子表面に結合するが, この結合はpHにより可逆的である。PH 6 では結合し易く, 濃度を高めるとウイルスは aggregation を生ずるが, PH 8 にするとかなりの量が解離し, 感染性もある程度回復する。きわめて高濃度の RNase により, ウイルス粒子は崩壊するが, それは PH 8 よりも 6 で急速に進行する。低濃度ではウイルス粒子表面に結合した本酵素が細胞内で感染開始の過程に影響し, 感染性の低下をもたらすと考えられる。
- 日本植物病理学会の論文
- 1986-04-25
著者
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