ササゲでの病徴決定におけるCMVのRNA2の役割
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概要
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ササゲに全身感染する点で, CMVの多くの他の系統とは異なるマメ科系統CMV-LのゲノムRNAの全塩基配列を決定した。RNA 1は全長3359ヌクレオチドで, 分子量111,491の1a タンパク質をコードしていると考えられた。RNA2は3047ヌクレオチドからなり, 分子量96,720の2aタンパク質をコードする能力があった。RNA3は2213メクレオチドで, 分子量30,478の3aタンパク質と24,191の外被タンパク質の2つのシストロンを有していた。決定した塩基配列や, コードしていると予想されるアミノ酸配列を, 既知のCMV黄斑系統(CMV-Y)と比較したところ, いずれも94%以上の高い相同性が認められた。特に, 細胞間移行タンパク質である3aタンパク質のアミノ酸配列は, 両者で完全に一致した。完全長のcDNAから感染性のあるウイルスRNAを転写可能な系を用いて, CMV-LとCMV-Yの間でreassortantを作製しササゲに接種したところ, ササゲでの感染の型(全身感染または局部感染)はRNA2単独で決定されるが, 全身感染における病徴をCMV-YのRNA3は変化させることが明らかとなった。CMV-Lと同様にササゲに全身感染するCMVの分離株MB-8のRNA2についても同様に塩基配列の決定を行い, 既知の数系統のCMVのコードする2aタンパク質のアミノ酸配列と共に比較したところ, 非過敏感反応型のCMVの2aタンパク質では, 共通したアミノ酸変異が3ヵ所認められた。
- 日本植物病理学会の論文
- 1997-08-25
著者
-
江原 淑夫
宮城大食産業
-
柄澤 明
東北大院農
-
伊藤 明子
東北大学農学部
-
江原 淑夫
東北大学農学部
-
長谷 修
東北大学農学部
-
柄澤 明
東北大学農学部
-
岡田 格
東北大学農学部
-
岡田 各
東北大学農学部
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