気管支喘息に関する精神身体医学的研究 : 第2報気管支喘息患者の脳波について

概要

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気管支喘息における中枢神経系の関与を明らかにする目的で, 既往歴にけいれん性疾患のない48例の喘息患者の脳波をしらべた.1) Pentetrazol(Pentazol)賦活により48例中16例(33.3%)に発作性異常波である spike and wave complex および high voltage slow burst の出現を認めた.この異常波の出現頻度は, 同様な賦活法による正常対照の脳波検査成績にくらべ明らかに高値であった.2) 安静時, 過呼吸, 閃光刺激等では, まったく異常波の出現が認められず, この点はてんかんとは異なる所見である.3) 異常波の出現は罹病期間の短いものに多く認められた.賦活方法により脳波の出現様式が異なることは, 気管支喘息とてんかんの間に存在する賦活機序の相違を示すものと考えられる.
日本アレルギー学会の論文
1972-05-30