気管支喘息に関する精神身体医学的研究 : 第1報臨床的検討

概要

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189例の気管支喘息患者について, その臨床経過を観察し, 喘息発症と精神身体医学的側面との関連について検討した.1) 何らかの形で心因が関与していると思われる症例が55%に, 心因のみが明らかで他に原因を求め難い症例が6%程度に認められた.2) 心因が主因をなすと思われる喘息症例は女に多く, また家族歴に精神疾患のあるものに多い傾向がみられた.またその臨床像はアレルギー喘息に類似していた.3) Histamine や acetylcholine に対する気道過敏性の面からは, 心因性喘息と他の喘息症例との間に差異を認めなかった.4) てんかんと喘息を合併した症例の検討ではそれぞれの症状発現に相関を認めなかった.5) 心因性喘息では精神身体医学的アプローチが適切に行なわれ, それに沿った治療が行なわれれば予後は良好である.
日本アレルギー学会の論文
1972-05-30