アメリカのカリキュラム理論に関する基礎的研究(第5報) : H.L.CaswellとD.S.Campbellの"Curriculum Development"について(その2)
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概要
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前報にひきつづき,H.L.CaswellとD.S.Campbellの“Curriculum Development”について,その紹介と分折を行なう。本文献はアメリカのカリキュラム理論を研究していくうえで,欠かすことのできない古典的文献であるとされながらも,わが国においては,これまでにその全体にわたっての紹介と分折が充分になされてきた形跡をみることができない。そして,部分的に紹介される場合の多くは,1930年代のアメリカにおける特徴的なカリキュラム構成法であった,社会機能法(social functional procedure)の代表的著作とされてきたのである。このこと自体はもちろん間違いではない。しかし,CaswellとCampbellの意図が,社会機能法という単なる一つのカリキュラム構成法の提唱や分折にのみあったわけではない。彼らの主要なねらいは,カリキュラム研究の全体像を明らかにし,具体的なカリキュラム展開を行なっていくトータルな課題や手順を示していくところにこそおかれていたのである。本稿では,彼らのこのような意図とねらいを一層明らかにしていくとともに,1930年代のアメリカのカリキュラム理論の水準と特質がいかなるものであったかを示していくことになる。In this article,the author continued the endeavore to summarize the content of“Curriculum Development”,written by Caswell,H.L.and Campbell,D.S,in 1936,and grasp the essential feature of the social functional procedure.We cannot find out so many direct and detailed description to the social functional procedure in “Curriculum Development”.It seem that Caswell and Campbell spend their much energy to elaborate many fundamental concepts in curriculum field and to establish many essential procedures for the real and practical curriculum development.But this does not mean that they ignore the importance of the social functional procedure.Elaborating many fundamental concepts,establishing many essential procedures,they build the bases of the social functional procedure.Caswell and Campbell often emphasize the decisive roles of the aims of education that exert on the planning of curriculum scope,on the selection of activities or interests of pupils,on the organization of subjectmatter and the others.And they say that the aims of education are essentially social in origin and the direct source of aims of education is the democratic ideal of society.Such their viewpoint on the aims of education construct the bases of the social functional procedure.We must recognize that the social functional procedure connect tightly with their wholly and integrated curriculum theory.
- 大阪教育大学の論文
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