ウルトラマリンに関連した反応の研究
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概要
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青色のウルトラマリンを赤みを帯びたものに変換する際に起こる化学反応を主としてESRと電子分光法で調べた. 化学分析及びESRスペクトルの解析から, ウルトラマリン格子中の青色発色団であるS3-はH+イオンと接触してSHと中性硫黄に分解し, このSHは硫黄酸化物と反応して中性硫黄を生成することが分った. 赤みを帯びたウルトラマリン中の赤色発色団であるS4はこれら中性硫黄より生じたものと推定した. あらかじめ, NH4Clとの加熱により酸性化されたウルトラマリン・ブルーをNO2で酸化した場合, S3-濃度の減少とS3濃度の増大が電子分光法で認められた. 反対に, 赤みを帯びたウルトラマリンを塩基性溶液中で約100℃で加熱したとき, S3とS4の減少及びS3-の増加が認められた. 赤みを帯びたウルトラマリンを400℃で加熱脱気したら退色が起こった. これらの事実はS4がアルカリ性雰囲気下でも高温でも不安定であることを示す. 最後に, 赤みを帯びたウルトラマリンの製造工程の意味を上述の知見を基にして説明した.
- 社団法人日本セラミックス協会の論文
- 1984-10-01
著者
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