子宮頚癌における術後外照射法の研究 : 術後外照射個別化の提唱
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概要
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子宮頚癌の術後外照射に関して, 岡山大学産婦人科における成績を基に検索を行ない, 今後あるべき術後外照射法の確立を目的とした.まず, 日本における主題の分析から, 全例照射から撰択的照射への移行傾向が明らかにされた.604例のリンパ節転移(-)例については, 全体としてみた場合, 外照射の有無は5年治癒率の向上に全く貢献していない.しかし, これを組織学的癌の拡がりから分析すると, 早期癌では照射により反つて5年治癒率の下降が認められた.次に239例のリンパ節転移(+)例に at random に2種の深部線量(1000〜1500R-少量群;4000〜6000R-大量群)を照射しその効果を検索した.その結果, 全体としてみた場合, 大量群でも治癒率の向上は認められなかつた.しかし, これを組織学的癌の拡がりから分析すると注目すべき成績を得た.即ち, 大量群では, 進行癌においてのみ治癒率に有意の向上が認められた反面, 比較的軽度の癌浸潤例では有意に治癒率の低下がみられた.この事は, 転移リンパ節数及び局所再発率の比較からも裏づけられた.次に術後遺残リンパ節の予後に及ぼす影響を, リンパ造影法を用いて検索した結果, リンパ節転移(-)の場合, 遺残の有無は全く予後に影響を与えていない.これに反し, 転移(+)の場合, 遺残が認められた例はすべて癌死した.一方, 術後照射の障害面を検討した所, 大量群でかなりの障害発生が認められた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1971-09-01
著者
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