卵巣癌の治療法に関する研究 : 特に腹腔内抗癌剤大量投与 : 洗い出し法について
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概要
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腹腔内抗癌剤大量投与-洗い出し法について基礎的検討成績からその臨床応用を考案し,主として卵巣癌の計26例について本法を実施し,効果と障害の両面から検討を加えた.まず障害面に関しては一過性の急性腸管麻痺以外に特記すべきものは認められない.治療効果については,まだ日も浅く充分な評価は出来ないが,少たくとも術後照射の成績よりはよい.特に治療後6月〜30月経過したI-II期癌11例(I期4例,IIb-IIc期7例)はすべて健在である.腹水の抑制効果は顕著で20例中15例において再貯溜を認めなかった.これらの結果は本法が治療効果と障害の両面からみて術後照射にまさる事を示すものである.本法は卵巣癌のどの進行期にも用いうるが,特によい適応は,その特質からみてIa-IIc期と云えよう.本法に関しては,その抗癌剤カクテルの処方,潅流法,維持療法など尚検討されるべき点が多い.御批判を乞う.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1980-04-01
著者
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