婦人科領域悪性腫瘍,特に卵巣悪性腫瘍におけるCisplatin単独投与の成績とその使用法に関する研究
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概要
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評価可能な卵巣悪性腫瘍29例にCisplatin単独投与を行い,その適応について検索すると共に使用法について検討を加え,有意義な知見を得た.1)卵巣腫瘍を除く他***悪性腫瘍22例でのCisplatin単独投与の有効率は13.6%と不良であった.2)悪性卵巣腫瘍での有劾率は58.3%で初回治療例,再発例共,同様な有効率が得られた.3)組織型についてはmesonephroid type 4例では有効例を認めず,その他ではほぼ同様に60%程度の有効率が得られた.4)Dose responseがある程度認められ,副作用を考えるとSecond look operation(S.L.0.)への導入量としては200〜300mg/bodyが妥当な投与量と考えられた.5)50%以上に腫瘍が縮小するまでの日数は,55日±16日と短い.6)副作用中,悪心嘔吐,腎障害に関しては補助療法でまず抑制可能であり,造血器障害も他剤に比べて軽度である.7)Massとしての遺残がさけられない進行例の場合は初回手術は試験開腹にとどめ,Cisplatinの投与によって腫瘍の縮小を計ってから,S.L.0.でできるだけ剔出する方が剔出率の向上及び手術手技の容易化の面から見て正しいと考える.8)Cisplatin有効例では続いてS.L.0.を行った方が有意に高い1年生存率が得られている.以上の成績からCisplatinは悪性卵巣腫瘍の治療に有効であり,特に進行症例におけるS.L.0.への導入剤としては至適の薬剤と考える.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1985-01-01
著者
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