進行, 再発子宮頚癌に対する254-S, Ifosfamide, Peplomycin併用化学療法の臨床的研究

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進行および再発子宮頚癌に対する手術療法と放射線療法の効果はほぼ限界に達した感があり, 近年CDDPを含む併用化療に期待がかけられている。254-SはCDDPの新しい誘導体で, わが国での臨床第II相試験で46.7%と比較的高い奏効率が得られたことから, IfosfamideおよびPeplomycinとの併用によりどのような成果が得られるかを臨床症例について検討した。頚癌再発23例に73コース, 初回治療III・IV期22例に48コース, 本治療を行った。その処方は254-S80又は100 mg/m^2, iv.Day 1, Ifosfamide 1.5 g/body, iv. Day 1〜5, Peplomycin 5mg/body, im. Day 1〜6で, これを4週ごとに少なくとも2コース以上行った。有効性の判定は日本癌治療学会の婦人科がん化学療法直接効果判定基準により臨床的に行われ, また放射線科専門医によってCTでも行われた。奏効率は, 初回治療ではCR1例を含む81.8%, 再発ではCR2例を含む60.9%であり, 初回治療と再発合わせて45例では71.1%と高い奏効率であった。用量規制因子は造血器障害, 特に白血球と血小板の減少であり, 254-S量100 mg/m^2投与群におけるgrade 3, 4の障害発生率はそれぞれ43.7%と31.0%であった。障害の程度は治療前のPerformance statusと密接な関係があり, 3例のDIC発症経験後は, PS 3, 4の症例では254-S量を80mg/m^2へ減量した。その他の障害は脱毛を除いては軽微であり死亡例はなかった。再発例では対照群と比べて有意に社会復帰可能な延命効果が得られ, 初回治療例では5例で根治手術が可能となった。化療後の放射線治療例では局所所見の改善のため, 標準的腔内照射が可能となり線量分布は適正となった。本治療は子宮頚癌再発例の治療および初回治療III・IV期癌のNeoadjuvant chemotherapyとしてきわめて高い価値をもつと確信するに到った。
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1992-03-01

進行, 再発子宮頚癌に対する254-S, Ifosfamide, Peplomycin併用化学療法の臨床的研究

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